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若手研究(B)

陶磁造形表現における粉体を用いた形成の研究
―陶以外のセラミックス技術転用の可能性

 研究者名:宮永春香 工芸科講師(陶磁)

 研究期間:平成24年度~平成27年度

 概要

本研究は陶磁器以外のセラミックス(ガラス、ファインセラミックス等)の技術を陶磁造形表現における成形技術に転用し、陶磁器の造形表現における新たな成形法の確立を目的とする。特に陶磁造形の成形技術として用いられることがなかった粉体を用いた成形に焦点を絞り、ガラスやファインセラミックにおける粉体 成形技術を転用するための調査、研究を行い、陶磁造形における新たな成形方法の獲得への可能性を探る。

陶磁器(伝統的セラミックス)においては、粘土が有する性質(可塑性等)に即した粘土成形を基本とする成形技術は縄文時代から今日に至るまで発達し、その技術により食器、タイル、衛生陶器等がつくられ生活には欠かせないものとなっている。またガラスも伝統的セラミックスのひとつであるが、その性質から陶磁器とは異なる成形方法(吹きガラス、キルンワーク等)が発達し、熔融したガラスを直接成形する方法や型に入れたガラスの粉体を電気炉で加熱して成形する方法などがある。そしてそのような伝統的セラミックスから、時代のニーズと技術進化により、天然原料ではなく化学プロセスによって厳密に組成制御された人工原 料を用いたファインセラミックスへと変貌をとげた。

ファインセラミックスは熱的、機械的、電磁気光学的、生物学的な高度な機能を有しており、エレクトロニクス分野、構造材料、生体材料など多岐にわたり活用されている。機能性に重点を置き、安定的に機能を保持した製品をつくるために精製原料や人工原料が用いられている。このように、陶磁器に対してガラスやファインセラミックスは同じセラミックスではあるが、異なる性質や機能のために異なる成形技術が発展している。伝統的セラミックスは主に天然原料を使用するのに対し、ファインセラミックスは人工原料を用いる点で異なってはいるが、非金属無機質固体材料であるという点で同質である。このような観点において、ガラスやファインセラミックスにおける粉体による成形技術の転用の可能性を見い出している。